名古屋帯の色を変える

ご結婚に際し、ご両親が準備して持たせてくれた名古屋帯です。
お孫さんがいらっしゃる年齢になられ、結ぶのをすこしためらわれるようになられました。
当社のホームページを見つけて下さり、帯の色変えにチャレンジしてくださいました。

お預かりした名古屋帯は、長さも少し短めだったので、この際、帯の長さも伸ばすことにいたしました。

ご希望は、薄い藤色がグレーということで、京都のメーカーさんに相談し、美しく染まる色をお任せすることになりました。

 

色はあまり薄くてもピンクが残ってしまいます。
いい塩梅の色を探してくださいました。

三か月かかりましたが、帯が出来上がってきました。
濃いピンクのお花もカバーできる、ブルーグレーに染めあがってきました。

 

上品なお色で、これならずっと結んでいただけそうです。

長さも二か所継いだので、ちょうどよい位置に柄が出て結べるようになりました。

帯揚げ、帯締めなどの小物の合わせ方で、がらりとイメージが変わりそうです。

 

写真ではわかりにくいのですが、とてもキラットとしていて、なんとも上品な輝きが残っています。

寸法も二か所伸ばしましたし、お客様にお願いして、帯を結ばせていただきました。

 

お着物も解かずに丸染めさせていただいた色無地です。

前も後もバッチリ柄が出ています。
伸ばしてよかったです。
そして前の柄は、帯締めや着物の色が映り込んで、ほんのり紫がかってみえるという、マジックのようなことも起こりました


使えないと思っていた帯が再生しました。

また20年以上お使いいただけそうです。
本当によかったです。

 

 

お客様からの感想

名古屋帯、何て素敵な色なんでしょう🎵

 グレーは、幅の広い色ですよね 落ち着いた、たくさんの色が重なりあったような奥深い 素敵なグレーです🎵 

そして、結びやすい様にご配慮頂いたんですね

お着物同様、こんなに素敵に生まれ変わらせて頂き、感激です💓

 本当に、これこそ着物再生プロジェクトですね

こんなに変わるものだと 主人も驚き、「綺麗な色に変わって、良かったなあ」と、申しております🎉 

大切に、出来るだけたくさん 着たいと思います

H様本当にありがとうございました。

 

教える仕事をされている先生ですので、これから着用する機会も増えると思います。
お着物を楽しんでくださいね。


短い名古屋帯を二部式帯に変える

M様には、昭和の帯で、とてもカラフルの色彩でたいへん素敵なのですが、とにかく短くて、結ぶときに苦労されている名古屋帯がありました。
令和時代にはなかなかお見掛けしない素敵な帯なので、私もだいすきな帯です。
前と後ろの柄を出そうとすると、とにかく難しいのです。
大変スマートなM様でも無理なのですから、私なら絶対無理。
そこで、二部式の帯に変えられることにされました。

後ろの柄をばっちり出すと、手先の帰りがなくなり、お太鼓が落ち着きませんでした。

手先の帰りを確保すると柄が出ず、お太鼓の帰りが減って、帯が小さくなるのです。
本当に難しかった・・・


柄をジャストに出すため、長さは見えない部分で継ぎ足してからのお仕立てになります。

帯芯も重いものから軽くてしっかりしたものにチェンジ


 

前も後も簡単に柄が出るように二部式帯に仕立て直しました。

出来上がりはこちら。

華やかな柄が綺麗に出ます。
しかも手先のかえりもしっかりあります。
これで着装時間は半減されることでしょう。

M様、ありがとうございました。

気軽にお太鼓姿でお出かけしてくださいね。
着装姿を拝見できる日を楽しみにしています。

 

もし、大好きだけれど、結びにくい帯がありましたら、
二部式帯にすることもできますし、長さを伸ばすこともできます。
お気軽にご相談くださいませ。



袋帯の色を変える

色を変える前の袋帯
派手になった袋帯

お客様からお預かりした袋帯です。

二十代に使用された袋帯だそうです。

現在、お客様は現在五十代となられました。

子供さんは息子さんだけで、譲り渡す方もなく、

せっかくご両親が作ってくださった袋帯を大切に締めていきたいというお気持ちです。

 

着物は染めかえることができることが多く

よく行われていますが、

帯は、染められた絹糸を織って作られたもの。

 

長く使えるように色を変えることができるでしょうか?

 

京都のメーカーさんに相談してみました。

 

グレーの訪問着や、色無地に合わすため、ぜんたいに色をかけてくれました。

派手な恋ピンク色のお花もシックになり、

大きな御所車の模様も目立たなくなりました。

 

今回は一度解いて、芯を取り外し、帯だけを丸染めしてくださいました。

 

染めあがった後で、再び袋帯に仮仕立てし、

芯を入れて本仕立てにしました。

 

帯のゴールドは消えず、豪華さも残りました。

 

これなら、帯揚げ帯締めを合わしながら長い間お使いいただけそうです。

 

帯も派手だ!とあきらめてしまえばタンスの肥やし。

色々な方法があるとわかりました。


短い名古屋帯を長尺に

2020/11/18

とてもきれいな絞り生地の名古屋帯。
練習で結んでみましたが、スリムなMさんでもとても結びにくい。
どうしてだろうと、長さを比べてみると50センチほど短かったのです。
そこで、見えない位置で新しい生地をつぎ足して、帯を伸ばすことにしました。

そのためには、一度解いて生地をつぎ足し、新しい帯芯を入れて仕立て直します。

絞り生地なので、たれの所にあったシミも綺麗に落とすことができました。

胴に巻く部分でしっかりした帯地をたしてもらいました。これで楽々と結ぶことが出来そうです。

絞り生地のシミ落としにも費用がかかりましたが、貴重な一本が出来上がりました。短いから結べないと諦めないで是非ご相談くださいね。



おばあさまの帯を再生させる

2019/0710

着付け教室の生徒さんから、おばあさまの帯をお預かりしました。
丸帯の半分と、名古屋帯です。
どちらも、そのままでは使えない状態。
丸帯の半分は、裏地があれば袋帯になりそうですし、

名古屋帯も、スズメが描かれた、アンティークなステキな帯なのですが、痛みがあります。

帯芯も昔の分厚い帯芯のため扱いにくく、入れ替える必要がありました。

それぞれ、費用をお伝えし、すすめるかどうか、お考えいただきました。

 

二人のお嬢様がいらっしゃるので、使用できるようにしたいと、決まり、京都のメーカーさんへ出しました。

そして!

できあがりました。

こちらが、袋帯です。
シックな色合いで、おめでたい柄が生き生きと織られています。
フォーマルな、お着物にぴったり。お二人のお嬢さんの入学・卒業にお使いいただけそうです。

総丈が短かったので、結んだときに見えないところで上手に継いでくれています。
裏地は新しい絹の裏地を使いました。
豪華で便利な袋帯の完成です。

とても素敵な名古屋帯。
スズメが生き生きと描かれています。
今ではあまり見かけませんよね。

とても素敵です。
カジュアル着物がとてもお好きで、お似合いになるお客様なので、上手に結んでくれそうです。

名古屋帯も昔の品は、大分短いのです。

こちらも見えない部分で、裏無地をつぎ足ししてもらいました。
これで結ぶのが簡単で、きれいに結べると思います。

どんな、帯揚げと帯締めをあわされるのでしょうか?

着姿がとても楽しみです。


袋帯から名古屋帯へ

お客様からお預かりした黒地の袋帯。

あばあさまの大切な袋帯なんですが、どうやら帯が傷んでしまった模様。

 

端の方だけなら、まだなんとかできそうなのですが、途中も傷んでいます。

 

でも、Oさんの好きな柄なので、なんとか使えるようにできませんか?というご依頼でした。

 

 

おばあさまの帯なので、余計に大切にしたいですよね。そのお気持ちにこたえたいと思いました。


中心部分が傷んでているので、袋帯としては難しいので、なんとか名古屋帯として使えるようにすることといたしました。昔の布の袋帯、しかも丸帯だったので、まずは解いて、クリーニングし、帯を作り直します。

中にはこんな分厚い帯芯が入っていました。

今の軽くて薄い綿の芯は無い時代の帯って大体こんな芯が入っています。

新しい接着芯を張って、名古屋帯となるよう、噛まれた所は除いて作り直しました。

 

こちらが完成した名古屋帯です。

黒地の名古屋帯は帯揚げ帯締めによって全く違うイメージになります。

丁度名古屋のお太鼓部分には上品な刺繍も施されています。

もともと袋帯だった品物なので、とても豪華な帯が出来上がりました。色無地にもオシャレに締められるように思います。

小さな柄がずーっと描かれているので、とても締めやすそうですし、

長い間お使いいただけそうです。