お宮参りの着物を額装する

息子さんのお宮参りの着物をお預かりしました。
豪華な刺繍が施されているうぶ着です。
桐のタンスに入れて保管されていたのですが、全体に茶色いシミが出てしまい、シミ落とし不可能と判定されてしまいました。

後から見ると目立たないのですが前側に多くシミが出ているのです。

このまま、おいておくのも残念だということで、額に入れて玄関に飾ろうということになりました。

 

ご希望は、背中の家紋を入れて大きな額が一つと、
袖の柄を使って、小さめの額が一つ。
袖の柄は入れ替えができるように、ということでした。

 

まずは丁寧にうぶ着を解きます。


出来上がりました。
とても立派な飾りに変身しました。
どれくらい、青い生地を残すと美しいか考えながら作ってくれました。
おじい様、おばあ様の気持ちを残すことができました。

京染に、日本刺繍。家紋入りの立派な飾りです。
そのまま朽ちていくより、活かせて良かったなぁと思っています。
N様、ありがとうございました。


お宮参りの着物から被布コートへ

お客様が女の子を出産されたとき、ご両親が準備してくださったお宮参りの着物。
あちこち取れないシミができていて、お孫さんのお宮参りには使えませんでした。


でもとても良い品で、なんとか、活用できないかとのご相談でした。


女の子のお孫さんが生まれ、その被布コートにしてみることにいたしました。

 

中には、絹の真綿を入れて作りました。
色鮮やかなぼかし染めに、手書きの鳥が沢山。
華やかでかわいいオリジナルの被布コートができました。


次の代へ受け継がれて、きっと、「ひいおばあちゃん」も喜んでくださるでしょう。

すべてシルクなので、大変肌触りもよく、軽くて暖かい被布です。
三歳の七五三がとても楽しみです。


着ない着物と羽織でクッションを

2021/03/10

ご自身サイズの着物をたくさんお持ちのHさん。
どうしてもサイズは違うし、着そうにないなぁ~という着物と羽織を使って、普段使うクッションなどに変えることにしました。

角通しの着物と、アンティークな羽織。
どちらも、微妙に生地が薄く、取れない汚れなどがあります。
また、Hさんのサイズよりは小さくて悩んでおられました。

そのまま置いておくのも残念なので、思い切ってクッションと長座布団に変えられました。


中の綿は、打ち直しの綿を使いました。
絹生地なので、肌触りの良いクッションになりました。
これなら、日々お使いいただけそうです。
着物から、日常使いのモノへ。
これもとても素敵だなぁと思いました。


単衣のアンサンブルを綿入り作務衣に

2021/03/11

お母様より、高い身長のお嬢様。
お母様の単衣アンサンブルを、冬、室内で着る作務衣に仕立て替えることにしました。
お母様のアンサンブルは、お父様との思い出の品。
このままにしておくよりは、普段使いで沢山着てあげようということにしました。

村山大島かと思われます。
大きな幾何学模様です。

中のピンクがかわいらしい感じ。


単衣なんですが、羽織には肩滑りが付いています。
まずは、解いて、アイロンで伸ばします。

単衣は、縫い代が見えないよう、綺麗に全部処理されているんです。

大切な正絹の着物なので、中に入れる綿も真綿(絹の綿)、裏地も正絹の胴裏を使います。
とても豪華な作務衣となりそうです。


完成しました。
和裁士さんも、かなり工夫して作ってくれたようです。
上着の前とズボンの後ろにはポケットもついています。
お洋服の上からも着られるよう、ゆったり作っています。

お嬢様が作務衣を着ているのを見るたびに、お母様はお父様を思い出してくれるのではないでしょうか。

着ずに、そのまま置いておくのなら、普段着ることができるよう、変えるのもいいですね。



早速、お洋服の上から着てくださいました。
余裕があって、着脱も簡単。動きやすいそうです。
冬場の室内作業も寒くないかもしれませんね。

Hさん、ありがとうございました。