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短かった着物の丈を伸ばす

2021/03/25

母の小紋。
着てみたらおはしよりが、めちゃくちゃ短かったんです。


それに、洗い張りしても取れない汚れが後の左右裾にありました。
これは無理かも・・・
ピンクだし、アラ還だし・・・
コートにかえるかな?と諦めかけていた時、
残り布が見つかりました。

これなら、なんとかなるかも!と、

丈伸ばしにチャレンジしました。

元の長さが156cmだった小紋。
出来ることなら、164cmまで伸ばしたかったのです。
帯の巾が約15cmありますよね。
その間になんとか収まるようにしたい!

 

そこで、一度普通の着物を着て、帯を締めてみて、
帯の上の線、帯の下の線をチェックしました。

待ち針で帯の上線を留める。
同じく帯の下線を留める。
脱いで、ものさしを当ててみるとこんな感じです。

15cm巾があるので余裕~、のハズなんですが、
生地が斜めになっているの、お分かりいただけますか?

着物は、体に添わせると自然と斜めになります。

しかし、継ぐのは真っすぐ横じゃないと上手く行かないのです。

 

ですので、この範囲内で、まっすぐ継ぐ!というミッションを和裁士さんにしてもらいました。

後側は、お太鼓の中に入るので、まずまず大丈夫なのですが、とにかく前側がムツカシイ・・・ですね。

 

腰ひもの位置によっても変わってくるんです。


腰ひもの位置が安定しないと、せっかく決めた位置でも、継ぎが出ちゃうかもしれません。
継ぎ位置を決めるのは、ある程度安定した腰ひもの位置が決まってからがいいんです。
着付け大切!腰ひも大切!ですね。さて、上手くいくでしょうか?!

継ぎが出来上がりました。
後、前、裾の写真です。
八掛は、元はピンクだったのですが、少しでも長く着られるようにグリーンにチェンジ。
出来た以上、がんばって、ピンクも着ますよ~。

着装してみました。

帯を結ぶ前

帯を結んだあと

帯の上からも見えず、下からも見えず。
絶妙な場所で継ぐことができました。

良かった~。大成功です。

腰ひももいつもの位置で締めることができました。
これで、おはしよりもできました。


着姿を、母にみてもらいました。
とても喜んでくれました。


長らく、洗い張り状態で保管していたのを知っているので。

母の母(祖母)がせっかく作ってくれた着物ですもの。
諦めなくてよかったです。


着物の真ん中で切って、前も後もつぎ足すのは、勇気が要ります。

汚れていた後身頃を下前に持ってきて
上前には、きれいな残り布を足してもらいました。
汚れていた部分を足し布に。
すっかり生き返りました。

ピンクグレーの葉っぱ柄なので、春の季節にバンバン着ちゃおうと思っています。

このように、短い着物を伸ばすことも出来ます。
大切な着物、思い入れのある着物には、有効な方法です。
お気軽に、ご相談くださいね。